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文学

夫の死後だというのに...『和泉式部日記』の解説

投稿日:

文学好きの伊崎が、古典について知ってもらいたいという思いで企画した【古典紹介】シリーズ。

 

今回は高名な『和泉式部日記』を解説します。

 

卓越した和歌のセンスで波乱万丈の人生を生きた和泉式部。

教養高い彼女が書き上げた日記には、親王との恋のすべてが詰まっています。

 

男女の心の機微や障壁を越えながら愛を深めていく様子は、「日記」というレベルを超えて「物語」としても一流の評価がされています(当社調べ)。

 

有名な日記ものは『蜻蛉物語』『土佐日記』などがありますが、ここまでドラマチックな日記物はあまりないと思います。

面白可笑しく作りこんだ物語のようなダイナミックさです。

普通、人間の人生なんて地味なもんなんですけどね。和泉式部の凄さがよくわかります。

 

さーて、古典世界に魅せられた伊崎が送る、『和泉式部日記』の紹介。

どうぞご覧ください。

 

要約:『和泉式部日記』

 熱愛の末成就した、為尊親王との恋。しかし不幸にも親王は亡くなってしまいます。

親王の死を偲ぶ傍らで、親王の弟から求愛されます。和泉式部は新たな恋に落ちますが、元夫の弟との恋愛に周りからの冷たい視線が向けられます。

周囲のうわさ話や自身の不安と闘いながら、新たな夫に引き取られるまでの10カ月間を描いた日記。

 

作者:和泉式部について

和歌の天才として高名で、紫式部も絶賛するほど。

親王や藤原氏を初め多くの高貴な男性から求愛を受けるなど、多数の恋愛経験を持つ。

そのために恋愛についての描写は深いものがあり、男の僕からみてもとっても魅力的。

 

意外にも(?)情熱的な恋愛をするタイプのようです。

 

また、実の娘に「小式部内侍」がおり、和歌の才能は受け継がれています。

これもいずれご紹介するつもりです。

和泉式部の和歌

和泉式部といえば何といっても和歌の深さ。

そこで今回は、彼女が読んだ和歌を引用してみます。

世の中に 恋てふ色は なけれども 深く身に染む ものにぞありける 

 世の中に「恋の色」というのはないけれど、身に染みるようだなぁ...

涙川 同じ身よりは 流るけど 恋をば消たる ものにぞありける

 涙も恋もこの一つの同じ体から流れているけど、涙の川では恋の情熱を消すことはできない...

 

 

「恋の色」「涙川」という言葉で自身の恋を表現しています。

ちょっぴりロマンチックな表現ですよね。

 

また、百人一首にも選ばれた代表作が

 

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 会ふこともがな

 この世の最後の思い出に、たったもう一度だけ会いたいなあ...

 

 

どうでしょうか?

 

 

僕的には...そこまで心を揺さぶられませんでした。

この手紙を女性からもらっても振り向かないさ、なんて強がってみたりもして。

もし「感動した!!」という方がいらっしゃいましたらTwitterか何かで感想を下さい。

 

ただまあ少なくとも、当時の貴族社会では大いに評価されたみたいです。

 

まとめ:『和泉式部日記』の魅力とは

要約の内容を読んでびっくりされた方も多いのではないでしょうか。 

 

「和泉式部さん、あなたダンナの弟と結婚するんかい!それじゃ亡くなったダンナも浮かばれねえよぉ...」

 

僕は結構引きました。でも、「ああ、これでこそ和泉式部さ。」 と思ったのも事実。

 

彼女の魅力はその情熱、激しさにあるのだから。

 

また、もう一つの魅力としてその物語性があると思います。

和歌と手紙のやり取りを通じて男女の心の動きを表現している点は現在でも高く評価されています。

 

僕的には「とてもおすすめ!大好き!」という作品ではないのですが、まあ、有名なので紹介しました。

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